タイドラマ

【タイドラマ】『180 Degree Longitude Passes Through Us』概要と感想

เส้นลองจิจูดที่ 180 องศาลากผ่านเรา(180 Degree Longitude Passes Through Us)
ジャンル:BL、家族
話数:45分×8話
放送:2022年8月~ One 31 ほか
演出:Punnasak Sukee
脚本:Punnasak Sukee
 
 
 
 
 
 
 
 

概要

かつて父親が愛した男性に惹かれてしまった青年と家族の物語。
 
 

キャスト

※英語表記のため、名前の読み方(発音)が間違っていたらスミマセン💦😓
 
Pond Ponlawit Ketprapakorn:Wang

 
 
Nike Nitidon Pomsuwan:Inthawut / "In"

 
 
Mam Kathaleeya McIntosh:Sasiwimol / "Mol"

 
 

人物相関図


 
 

感想

2022年10月視聴

ポスターに惹かれて観てみたら、『ITSAY』を彷彿とさせる映像美や作風で、何やら期待が高まる~✨(☆∀☆)
 
長年国内外の舞台芸術作品で高い評価を得ている演出家が手がけた初テレビドラマだそうで、緑豊かな地にひっそりと佇む邸宅を舞台に、ほぼ3人の登場人物が濃密な会話劇を繰り広げるというシンプルな構成は、まるで舞台演劇を観ているかのよう。

 
主演3人の演技がとてもすばらしく、タイトルにある "180 Degree Longitude Passes"= 経度180度線(日付変更線) を表す様々な"線"を効果的に用いた演出、詩的で哲学的な台詞が印象に残る脚本、美しい自然風景、各人物のテーマカラーに合わせた簡素な衣服やインテリア、アーティスティックな小物、スタイリッシュな宣材、主演俳優が歌うバラード曲等、五感に触れるすべてが傑出しており、ぜひとも日本語字幕付でじっくりと鑑賞したくなりました~(o´∪`o)
 
 
 
※ここからネタバレを含んでいますので、ご注意ください!
 
物語は、20歳の誕生日を迎える青年 Wangが、ドラマ演出家の母親 Molと共に、バンコクから北方へ車で移動中、森の中で立ち往生してしまい、近隣に住む建築家のInに偶然助けを求めるところから始まります。
 
目の前に立つInを見て、息を呑んで立ち尽くすWang。
なぜなら、Inは、ずっと会いたいと願っていた 亡き父 Siamの旧友だったから―。

 
Molにとっても旧友であるInの厚意で、しばらくInの邸宅に滞在することになったWangとMol。
仕事の都合でMolがしばし邸宅を離れている間に、Siamの想い出話や予期せぬトラブルを通じて、WangとInは親しくなっていきます。

 
やがて、Inに特別な感情を抱いていることを自覚したWang。
亡き父 Siamと同じくInを愛していることをWangが表明したことから、Wang・In・Molの間に激しい嵐が吹き荒れることとなります・・・🌀

 
 
いやーー、ざっくりあらすじを書いてみて、改めてセンセーショナルなストーリーだったなぁと💦(^◇^;)
父親と息子が同じ男性を愛してしまうだなんて、昼ドラにありそうなネタだなぁと思ったけどw、笑えるツッコミどころはまるでない重厚感漂う作風wで、主要人物が逃げ場のない状況で、がっぷり四つで感情をぶつけ合うから、時折窒息しそうになってしまった💦(×o×;)
 
 
亡き父の生前に関する真相が知りたいと願うWangを演じるのは、『My Ambulance』で、Billkinと初々しい医師トリオを演じていたPondくん。

すっかり大人びた色気を纏った男性に変身していてビックリ(*゚д゚*)
 
亡き父親のことが大好きで、母親の支配から逃れようともがき、本能のままに惹かれてしまった両親の旧友に熱く迫るWang。
若さあふれる熱情、挑発的な言動でInを揺さぶるWangにグイグイ引き込まれて、目がはなせないーー💦

 
長台詞が多くて大変そうでしたが💦、Pondくんの熱演とソフトな歌声のOSTが心に響き、一途なWangの恋路をハラハラ・ヒリヒリしながら見守ってしまいました。
 
 
過去に蓋をして仕事と息子に注力するMolを演じるのは、『In Family We Trust』でも母親役を演じていたMam氏。

個性的な大ぶりのアクセサリーが目を引き、今作でも気の強い女性像に気圧されてしまった💦(^◇^;)
 
受賞するほど有能な仕事ぶりとは対照的に、夫や息子との愛情関係がうまく築けず、孤独を紛らわせようとするMol。
息子に恋人のように接したり、勝手にInの邸宅でパーティーを計画したり、奔放で何でも思い通りにしようとするMolに共感できかねる部分もあったけど💦、夫と息子が最も信頼していた友人男性を愛してしまうことになるなんて、、、つらすぎる(´;ω;`)(´;ω;`)
そりゃあ、「こんなめに遭うなんて、過去世で何したって言うの!?(意訳)」と叫びたくなるわ😂
 
ドラマの世界や他人事だと思って楽観視していた出来事が、いざ身内で起こったときの反応をリアルに再現した場面がシニカルでした。

 
 
過去の出来事に対して自責の念に苛まれながら隠遁生活を送るInを演じるのは、Nike氏。

お初にお目にかかりましたが、おちついた佇まいにやわらかい表情と声音、鍛えられた肉体がステキ~✨😍
 
キズつくことを極度に恐れ、他者とを隔てる格子の奥に身を潜めるInがいたましすぎた💦(@@;)
全体的に感情を抑えた演技が多い中で、Siamの話をしているときは目をキラキラ輝かせてイキイキしているInに目を見張ってしまい、Nike氏の演技力に脱帽しました~✨(☆∀☆ノノ゙
劇中では涙を流したり陰鬱な表情が多かったので、インタビュー映像で、Pondくんと笑い転げているNike氏を見て、ホッとしてしまいましたw😊

 
 
終盤になるにつれ、Wang・In・Molの関係は深刻さを増していきます⚡

 
20歳という若さと本能・衝動のままにInを愛そうとするWangは理解できるけど、SiamとInの関係に触れながら、ストレートな言葉でInとMolを容赦なく抉るところが、とてつもなくしんどい💦💦(×o×;;)
Wangの言うことは正論なんだろうけど、誰しも避けたいことと向き合うのは勇気がいるし、どちらかというとInとMolに近い年齢の身wwとしては、過去をスルーしたまま現実を生きていきたい気持ちや、それが当人にとって乗り越えるべき最大の課題であったとしても、個人の感情よりも周囲の状況を考慮して踏みとどまってしまう気持ちはよくわかる・・・💧😓
 
最終話直前回のエンディングは、Siamの愛への対応ともリンクする演出が鳥肌モノ😱でしたが、あまりの悲痛さに、鉛を飲み込んだように重苦しく沈んでしまいましたー💧(@@;)

 
 
最終話は、懇切丁寧なWangの台詞やナレーションがすべてを物語っていて、わかりやすかった反面、少々余白が欲しくなってしまった部分も💦(^^;)
WangとInのハグから後の各場面の構図やナレーションが秀逸で、"52ヘルツのクジラ" とタイトルを引用したWangの語りが胸を締め付けるほどにせつなく、陽気にしゃべり続けるMolの横で、流れゆく車窓に目を向けて静かに涙を流すWangに涙腺崩壊(T^T)
視聴者の気持ちを代弁したかのような三者に向けた教訓に、深く頷いてしまいました。

≪2023.03 追記≫
日本語字幕付映像を観て、この画のナレーション訳に違和感があって調べた結果、日本語字幕の意味合いが原文に近く、英語字幕は登場人物への教訓めいた内容になっているようでした。

 
 
当初、BL作品として視聴していたけれど、全話視聴後に浮かんだ言葉は、「ひと夏の恋」と「通過儀礼」。
季節は夏ではなかったかもしれないけどw、シチュエーション的な意味合いで浮かんだ「ひと夏の恋」。
亡き父の旧友に恋したことで、長い間抱えていた父親へのわだかまりを解消することができたり、学びたいことが見つかったりと、20歳を迎えたWangが広い世界へ自由に羽ばたいていくために訪れた 儚くも美しく、ホロ苦い体験だったのかなぁと🦋
痛々しいほど真っ直ぐに、為す術がないほどまでに全力でInにぶつかりきったWangはとても勇敢だったし、この先の未来で新たな出会いに恵まれることに期待してしまいました🌟

 
 
そして、"180 Degree Longitude"を越えるのかどうか!? が焦点だったIn。
長らく過去に留まり続けているInにとって、Siamの生き写しのようなWangとの出会いは、Siamとの過去を癒やしてInを未来へと導いてくれる唯一の希望だっただろうし、Wangは現実的にも外界と繋がる橋を構築してくれた功労者。
 
外界を遮断して誰ともキズつけあわないコンフォートゾーンの中で暮らし続けるのか、Wangという架け橋を渡って外界と交わる新たな一歩を踏み出すのか―!?

選択はIn次第だったわけですが、数日間という短い期間では、途中まで行くのが精一杯だったのかなと・・・(^_^;)
 
それほどまでに、InにとってSiamの存在が大きくて、愛が深かったんだろうなと感じました💗

 
 
Wangの滞在期間がもう少し長ければ、Molがいなければ、WangとInの関係が別の様相を見せたのかな?と思ったりもしたけれど、最後まで周到に練られた作品だと感じたので、すべてが必然の内容であっただろうし、じんわりと心に沁みる結末の余韻にどっぷりと浸ってしまいました(*´ω`*)
 
 
繰り返し観るほどに、各場面の奥深い意図に気づいて、演出家の手腕に感服しきり✨😍

 
舞台上映を視野に入れた作風にも思えたので、そんな機会があればぜひ観てみたいです♪(o´∪`o)
 
 

 

 

 
※Thank you for all pictures.
 
 

OST

Pond "เส้นแบ่งเรา"

※Thank you for the movie.
 
主演を務めるPondくんの澄んだ歌声にのせて流れるモノクロームの情景が哀愁を帯びて美しい~✨😊
 
 

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